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星稜高校サッカー部・河合監督が語るHudlの強み。「選手も指導者も成長できる」

映像分析ツール『Hudl(ハドル)』は、試合動画をアップロードするだけで、24時間以内にスタッツ集計やタグ付けなど詳細なデータ分析を代行。世界中のスポーツチームで映像分析の一翼を担っています。

全国高校選手権に30回出場し、2014年度には優勝を経験している高校サッカーの名門・星稜高校サッカー部もHudlを導入しているチームのひとつ。Hudl導入後、作業時間は4分の1になったのだとか。
 
Hudlによってチームに訪れた変化について、チームを率いる河合伸幸(かわい・のぶゆき)監督と木原力斗(きはら・りきと)コーチにお話を伺いました。

Hudlを導入して「分析の視野が広がった」

ーまずは、Hudlを導入した理由から教えていただけますか?

河合監督:サポートが充実していて作業時間を短縮できるところにメリットを感じ、説明を受けてすぐに導入を決めました。Hudlは、映像を送ってから早ければ半日ほどで分析が返ってきます。複数試合同時に分析してくれますし、自分たちの作業時間はこれまでの4分の1ほどになったと思います。

ーこれまではどういった形で作業していたのですか?

木原コーチ:大きな外付けのハードディスクを使って、ホテルの一室にスタッフみんなで集まって作業していました。機材は大きいし、途中で止まるし…大変でしたね(笑)。

河合監督:短期間に試合が続く大会では、対戦相手が決まった日の翌朝までに分析を完了させなければいけません。試合が終わってバスを運転して、帰るのは23時。そこから5時間くらいかけて作業して、寝るのは2、3時間という日も少なくなかったです。

木原コーチ:本当に、寝る暇が無かったですよね。

ー現在は、基本的に木原コーチが分析を担当しているのでしょうか?

木原コーチ:攻撃と守備、セットプレー、自チームと相手チームなどスタッフ間で分担しています。Hudlを導入してからは、データを元にスタッフがそれぞれのデバイスから作業を進められるようになりました。データが蓄積されているので、過去の情報を取り出したり、各試合のセットプレーだけを抽出することもすぐにできます。

ーこれまで分析に費やしていた時間を、他の作業に充てられるのは大きな変化ですね。

河合監督:分析の速度が上がれば、その後のアクションすべてが早くなります。いまは午前中に試合が終われば夕方には分析が返ってくるので、その日の夜にミーティングを開くことができます。これまではそんなことあり得なかったですからね。さらにミーティングの前であっても、選手たちはそれぞれのスマートフォンなどでデータを見ることができます。

ー河合監督から分析についてリクエストをすることはありますか?

河合監督:たまに「このシーンは入れて」と伝える程度で、ほとんどコーチに任せています。ミーティングの内容に合わせて少し修正するくらいですね。

木原コーチ:一度完成させてから、本当に必要な情報かどうかを検討するように意識しています。Hudlを使いはじめたころは、「あれもいいな、これもいいな」と映像が長くなってしまいました。そうするとミーティングも長くなってしまうんです…(笑)。

生徒たちには必要な情報をできるだけ絞って見せることが大切ですし、ときには自分たちが良かったときの映像を多く見せたほうがいいシチュエーションもあります。分析をするときの視野が広がりました。

河合監督:ミーティングでは、本当に重要な情報を伝えることができればいいんです。情報を選別するうえでも、あれだけデータを一気に見ることができるのは助かっています。

ーあえて選手に見せない情報もあるのですね。

木原コーチ:たくさんあります。リーグ戦序盤はチームの課題をあぶり出す期間ですが、トーナメントの大会期間中は積み上げてきた強みをいかに発揮するかのほうが大切。状況に合わせてマネジメントは変わってくるので、分析の仕方も違います。選手にすべてを見せるわけではありませんが、指導者はさまざまな角度の情報を持っていることが重要です。

映像分析によって、指導者も学ぶことがある

ー分析をするときは、どのデータを重要視しているのでしょうか?

河合監督:まずは、ゴール前の攻防ですね。

木原コーチ:最終ラインからボールを繋ぐときや、セットプレーの配置など、これまで気づけなかった細かい部分に注目できるようになりました。実際、ロングスローからの得点は増えましたよね。

河合監督:最終的には、得点を増やして失点を減らすために何をするべきかを考えるんです。自陣でのパス本数が増えたとしてもゴール前に入らなければ得点は生まれないし、失点シーンも遡ればピッチの中央に原因があるかもしれません。そういったゴール前での課題をデータを使って選手に理解してもらいます。

木原コーチ:Hudlはシーンごとに映像が分けられているので、そういった課題の原因を探すのもスムーズになりました。

ーHudlの導入にくわえ、近年はYouTubeなどの動画サイトから選手が自発的に映像に触れる機会が増えました。選手たちの変化は感じますか?

河合監督:国内だけでなく海外のサッカーも見れるようになって「このチームみたいなサッカーをしたい」と理想を追い求める選手が増えたと思います。

木原コーチ:トレーニングでも分からないことがあったら、すぐにYouTubeなどで調べることができますよね。すごく便利なんですけど、チームメイトや指導者とコミュニケーションを取りながら自分で解決方法を探すなど、“考える力”は育ちにくくなっているのかなと思います。

河合監督:良いところばかりを見てしまいがちですが、それには過程があります。「頑張った結果、成功があるんだ」というのは忘れないでほしいですね。

木原コーチ:全体でHudlの映像を共有しているので、選手には自分で分析する力をつけてほしいです。

すべてを鵜呑みにするのではなく、上手く活用することが大切だということですね。では最後に、あらためて映像分析を導入するメリットについてお聞かせください。

河合監督:まずは我々の仕事スピードが上がるということ。自分たちの強み、弱みがデータとともに明確になるので、相手の分析と照らし合わせながら準備することができます。我々ができるのは準備の段階までなので、あとは選手に頑張ってもらうのみですね。

木原コーチ:1年前のデータと比較することもできるので、選手は自分たちがどれくらい成長しているか分かりやすいと思います。今後はAチームだけでなく、すべてのカテゴリーでより積極的に映像分析を活用して、選手の自立を促したいです。

河合監督:あとは、利用する指導者も成長できると思っています。データに繰り返し触れることで理解が深まり、選手にも理論的な説明ができるようになるはずです。

木原コーチ:とくに部活動で指導をしている人にとっては、学校での仕事があり時間が限られているなかで大きな助けになるツールだと思います。

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