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「Hudl Assistがなかったら、別の仕事をしながら分析のサポートはできなかった。」なでしこリーグ・大和シルフィードの分析ワークフローとは?

Hudl Japan

2022年シーズンなでしこリーグ2部を3位で終え、来季の1部復帰を決めた大和シルフィード。1年での1部への返り咲きを果たしたチームで分析サポート担当を務める西原雄一氏に、2022年シーズンにチャレンジしたことやその裏にあった狙いや思いなどを伺いました。

活用プロダクト
Hudl Silver
Hudl Assist Game

ー2021年8月に分析サポート担当に就任され、2022年シーズンで2シーズン目ですが、今年取り組んだ内容について教えてください。

普段は会社員として働いている(ブランディング、顧客サービスのDXプロジェクトの責任者)のでフルコミットではありませんが、大和シルフィードでは、自チームと対戦相手どちらの分析も担当しています。監督と週1回ミーティングして私が発見した課題を伝えていた他、今シーズンは平日1回、水曜ないし木曜にチームミーティングがあったので、そこで15分程度で選手に分析した内容をフィードバックしていました。試合日に関しては、ホームゲームであれば現地で、アウェイゲームであれば配信を見ながらハーフタイムに監督に気づいたことをフィードバックしています。

ー自チーム、対戦相手の分析のワークフローについて詳しく教えてください。

自チームの分析は、試合映像を2回通して観るようにしています。気になったシーンはHudl上のクリップ機能を使ってプレイリストにして保存し、15分くらいの動画にまとめ、監督がチェックしたあとに選手に共有しています。他にもHudl Assistで取得できるデータを用いたKPI設定に基づき、達成度合いの把握も行っています。

実際のプレイリストの一例

対戦相手の分析は3試合程度をチェックして攻略方法をまとめます。個々の選手は、選手たちの方が高校や大学などでチームメイトだったり、対戦したことがあるので詳しいです。したがって僕からは、グループのこと、チームのことを中心に伝えるようにしていました。例えばスタッツに関しては、リーグの公式記録を用いた自チームとの比較、得失点のパターンと時間帯ごとの傾向などもチェックしていました。

毎週の選手へのミーティングでは、自チーム、対戦相手の分析を合わせて15分程度にまとめるので、KPT(ケプト)法という手法を用いてポイントを絞って伝えます。Keep(続けること)、Problem(課題)、Try(チャレンジすること)の3つの視点でまとめています。

ー本業がある中でその作業量はかなり膨大ですね…振り返りにはどれくらいの時間をかけていますか?

だいたい4時間程度かかっています。自チームは1回ざっと見てメモを取り、2回目を見ながら切り取っています。クリップを再度見直して追加したりすることもあります。映像のまとめる観点は、「自分たちがやったことがなんでうまく行ったのか」「なんでうまく行かなかったのか」「もっとこういう方法がある」という3つです。

ー今シーズン闘う中で難しかったことを教えてください。

なでしこリーグ2部に参加する各チームそれぞれ特徴があり、それぞれすごく考えて試合に臨んでくること、そしてシルフィードとの対戦のときだけやり方を変えてきたりもするので、毎試合対応が難しかったです。基本的に大和シルフィードはボール保持できるチームなので、それありきで戦術を組んできたり。

大和シルフィードとしてはボールを握る、敵陣に押し込む、というコンセプトは変わっていないのですが、シーズンを通してデータも参考にしながらスタイルは変化していきました。そこにおいてHudlアシストのデータがとても役に立ちました。

KPIとしてアタッキングサードのパスを増やす、トランジションで勝つ、ペナルティエリア内のシュートを増やす、という3つを設定していました。ただ、シーズンが進むとアタッキングサードのパス本数は増えてもシュートチャンスが増えない、という現象に直面しました。紐解いてみると、サイドでボールを回してクロスをあげているだけになってしまっていることがわかりました。もちろんその部分の数字の向上が得点に直結するように、クロスの練習やセットプレーの練習でさらにクオリティを高めることも必要ですし、加えて中央を崩せるようにもなろうよと。Hudlのデータを分析しながら、数字の向上と実際的な成果とが、少しでもリンクするための工夫を考えました。

アナリストの仕事は、そのコンセプトに対して、いま何ができていて何ができていないかを分析して監督に伝えること。その点は普段の仕事と一緒ですね。

ー試合中について記憶に残っていることを教えてください。

あるホームゲームで前半0-1で負けていた試合です。後半2点とって勝ちましょうということでハーフタイムに監督に分析上のコメントを伝えて、最終的には、目指した通りにアディショナルタイムに勝ち越すことができました。試合前に監督と「ハーフタイム時点で0-1もありうる」と話していたので、スムーズに進みました。

一方でアウェイは映像を元にリアルタイムでフィードバックを行うのですが、難しかったです。ハーフタイムにメモを監督に伝えるのですが、中継がかなり寄った画になっているので全体が把握しきれなかった試合もありました。

ーHudl Assistを使ってよかったことはどんなところでしょう?

一般的にアナリストといえば、データを収集して提供する人、というイメージがあると思うのですが、Hudl Assistがあったおかげでデータ収集に時間をかける必要がなくなりました。データ収集に時間をかけていたら、僕のように別の仕事がある人間がチームの分析をサポートすることはできなかったと思います。本当にありがたかったです。

Hudl Assistのおかげもあり、スタッツを継続して追いかけていました。例えばポゼッション/シュート(シュート1本あたりのポゼッションの回数)をKPIとして立ててみたり。このKPI自体を上げるには、シュートをたくさん打てばいいので、それだけが独り歩きするとペナルティエリア(PA)の外からのシュートが増えてしまうかなと。なのでまずはPA内でのシュートを増やしましょうと伝えて、チームに浸透してきたタイミングで、効率を重視するKPIを重視するように伝えていました。相手のレベルにもよりますが、だいたい2点取れるときはこの値が5ぐらい。10を超えると0点の試合が出てきたり。数字をベースにしたコミュニケーションを行うことができます。

実際に使用していたスタッツ集計表

ー最後になりますが、西原さんのモチベーション、この役職を務める思いなどあれば教えてください。

自分のように別の仕事を続けながらサッカークラブをサポートするような関わり方がひとつの選択肢として認識されるようになったら嬉しいです。今は会社員として働いているけど、スポーツ現場に関わってみたいと思う人には、自分のスキルや知見をスポーツの現場で活かすチャンスはたくさんあるはずです、と伝えたいですね。

(写真提供:大和シルフィード)

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