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白鷗大女子バスケ部・分析担当のホンネ。「マネージャーが羨ましいこともあった。ただ......」

白鷗大学女子バスケットボール部は、創部からわずか30年余りで三度の関東リーグ優勝、2016年のインカレ優勝など数多くのタイトルを獲得している大学バスケの強豪です。2021年も関東リーグ戦、インカレでともに準優勝と好成績を収めています。

そんな白鷗大学女子バスケ部の強さを支えるのが、ハドルスポーツコードを用いた映像分析です。試合だけでなく練習にも導入し、戦術の確認や相手チームのスカウティングなど、多岐にわたり活用。選手のパフォーマンス向上を後押ししています。

学生でありながら分析を担当するのが石川琴梨(いしかわ・ことり)さん。今やチームにとって欠かせない存在ですが、大学生になるまでは分析ツールを使ったことがなかったそうです。新たな挑戦のきっかけとなったのが、佐藤 智信(さとう・としのぶ)監督からの助言でした。

緻密な分析でチームを勝利へ導くお二人に、ハドルスポーツコードの活用法と映像分析がチームにもたらす影響について伺いました。

練習が終わったらすぐに監督と相談

ー現在、どのようにハドルスポーツコードを使用しているのでしょうか?

佐藤監督:チームの約束事が実行されているかの確認や、相手のスカウティングに使っています。過去のデータが蓄積されているので助かっています。

石川:私が入学したときにはすでに導入されており、今は試合だけでなく、練習でも使うようになりました。練習が終わったら監督と相談して、必要なところを選手に見せています。

ミスになったシーンの振り返りや、オフェンスパターンの確認など、目的ごとに切り抜いて10分程度の映像にします。それを見ながら監督がコメントすることもあるし、選手同士で話し合ったり、私も気づいたことがあれば伝えます。

スカウティングについては、相手のデータを集めて監督のサポートをします。シーズン中は、自チームよりも対戦相手の試合のほうを見ているかもしれません。連戦になるので、試合が終わったらすぐ次の相手の情報を渡せるよう準備しています。

―監督はこれまでも映像を見る習慣はあったのでしょうか?

佐藤監督:中学生の頃から見ているので、習慣になっています。当時はVHSが主流で、父親が大きなカメラを抱えて撮影していたのを覚えていますね。高価な機材なのですが、それらをいちばん買っていたのはバスケの指導者だった、と聞いたことがあります。

―昔から映像を見る習慣があった、というのはめずらしいですね。多くの方は指導者になったタイミングで取り入れたとお話されています。

佐藤監督:必死にビデオテープを仕入れていました。沖縄ではアメリカのテレビ番組が放送されていたので、NBAの試合映像を友だちに送ってもらいました。テープが擦り切れてしまうほど繰り返し見ていましたね。今はインターネット上に情報があふれているので幸せだなと。

―石川さんはどうして分析担当になったのですか?

石川:監督から勧められたのがきっかけです。当初はマネージャー志望で、分析の仕事があることも知りませんでした。

高校三年生まではプレーヤーだったんです。小学生のときからプロになりたくて、中学では愛知県の強豪チームで全国優勝を果たしました。高校でも全国大会に出場できたのですが、そこで厳しさを知り、「プロにはなれないな」と痛感したんです。

英語が好きだったので、通訳になろうと考えました。大学では英語を勉強しながらマネージャーをやろうと思っていました。その時に監督から「分析ツールを使えたら武器になる」と勧められました。

基本的に、試合中は上から動画を撮っています。ベンチに入って選手と一緒に喜べるマネージャーが羨ましいと思うこともありました。ただ、監督に任せてもらったからには頑張ろう、と。

将来的にはBリーグのクラブに行きたいですね。今は分析を担当していますが、通訳の夢もあきらめていません。どちらの役割もできるのは自分の強みだと思っています。


映像が選手の理解を深める

―映像分析を始めたことで選手に変化はありましたか?

佐藤監督:選手が、練習内容を具体的にイメージできるようになりました。指導者が伝えたいことに対して、選手の理解が深まったように感じます。

私自身の作業も効率化され、精度が上がりました。映像と照らし合わせれば、私が感じていることが合っているのかを即座に確認できます。これまでは時間も人手も足りなかったのですが、短時間で頭の中を整理できるようになりました。試合中も映像を見て、確認してから選手に指示を出しています。

石川:ハーフタイムになったら監督のところまで走ってデータを届けています(笑)。

―選手たちはどの程度映像を見ているのでしょうか?

佐藤監督:全員で確認する時間を、チームとして設けています。練習後には映像を共有していますが、視聴を強制はしていません。ミスを振り返って改善するのか、良いプレーを振り返ってモチベーションを上げるのか。選手の判断に任せています。

石川:バスケはチーム競技なので、一人では気づけないことがたくさんあります。みんなで映像を見ればすぐに話し合えるし、チーム全体で問題を解決できるかなと思います。

―映像分析を取り入れてから印象に残っている試合はありますか?

佐藤監督:2016年のインカレで優勝したときですね。当時の分析担当が、選手一人一人にモチベーションビデオを作っていたのが印象的でした。ハドルスポーツコードを使っていたので、すぐに個人のプレーを抜き出せたんです。

分析システムを活用しながらチームのために奮闘していた先輩の存在が、今の石川のモチベーションにも繋がっているのではないでしょうか。

―石川さんの印象に残っている試合は?

石川:優勝した二年次のリーグ戦です。入学してからなかなか結果が出ていなかったのですが、その時はスカウティングに基づいた戦い方を徹底できました。日本代表選手を擁する強豪相手にも、チーム全員で戦って勝つことができました。すごく一体感があって、分析担当をしていて良かったと思った瞬間でしたね。


再現性のあるプレーで勝利をつかむ

―分析をするなかで難しさを感じる部分はありますか?

石川:どれだけ分析をしても、すべてその通りになるわけではないところですかね。選手のコンディションには波があります。うまくいかないときにどう声をかけるべきかは難しいところです。

―普段から選手との接し方は意識しているのでしょうか?

石川:相手によって変えるようにしています。学年や立場によって、言い方や伝えるべきことは違いますからね。

―日本のアマチュアスポーツにおいて、映像分析はまだ浸透していないように感じます。映像を使うメリットについてはいかがですか?

佐藤監督:“分かりやすい”ことだと思います。自分の頭で考え抜いて理解することも大切です。しかし、それには時間がかかりますよね。映像であれば、短時間かつダイレクトに伝えることができます。

スポーツにおいてまったく同じプレーはありません。ただ、近い形はつくれます。映像を活用することで、再現性のあるプレーを効率よく構築できると思います。指導者が考えていることを自ら具現化して選手に還元できるのは、ハドルスポーツコードのおかげです。


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