中学サッカー“最強”の街クラブ・FC LAVIDAの指導者を支えるHudlの効果
かつては部活動がメインだった“中学サッカー”において、この15年でクラブチームが増加しました。いわゆる“街クラブ”です。特に首都圏でそれは顕著で、まさに群雄割拠の時代となっています。
2012年に立ち上がった埼玉の街クラブ「FC LAVIDA」もその一つ。Jリーグに所属するクラブの育成組織を次々に倒して注目を集め、2021年度の高円宮杯 JFA 第34回全日本U-15サッカー選手権大会では準優勝。設立10年での全国2位という偉業に、サッカー界で大きな注目を集めました。
そんなLAVIDAもHudlユーザーの一員です。いまや中学サッカー界でその名を知らない人はいない、LAVIDAをHudlがどう支えているのでしょうか。 村松明人監督にお話を伺いました。
村松監督が自ら編集をしていた過去
ーもともと、映像分析には取り組んでいたのでしょうか?
LAVIDAのスタッフは昌平高校との兼任がほとんどで、昌平の映像を撮って編集することはありました。守備がうまくいかない部分があれば、そこを切り取ってまとめる、など。LAVIDAに関しては撮った映像をフルマッチで見返すことが多かったですね。ゲーム全体を見ることが多かったのですが、昌平がセットプレーをしっかり切り取って対策をしていたので、こういう作業も必要になるのではないかな?と思って。そう思っていたときに、知り合いのチームからHudlの紹介をされ、導入を決めました。
ー決め手はどこにあったのでしょうか。
シーンを簡単に切り取って抽出できるところですね。これはとても大きいです。セットプレーや失点の場面に関しては自分たちで映像を見返さなくても、Hudlのクラウド上にアップロードすれば24時間以内にタグ付けして戻してくれます。セットプレーの場面だけを見たいときには画面のボタンからセットプレーを選択すればダイジェスト映像がすぐ見られる。
LAVIDAにはジュニアチームもあるので、私達が見なければいけないゲーム数も多い。土日に試合があって火〜金で練習をする中、その翌週の試合に向けての修正や対策の準備を考えると、火・水で映像を見なければいけません。その時間の有効活用ができるようになったのも大きいですね。Hudlの導入前には手作業で僕が映像編集をして作っていましたから。
ーサッカー面、戦術面の戦い方の整理の部分に費やせた、と。映像編集は必要であるけど本業ではないですもんね。
それまではフルで試合を見て、自分たちで編集ソフトを使ってシーンを切り取る作業をしていました。得点、ピンチの場面、シュートシーンなど、いいところと悪いところを抽出・編集して、選手に見せていました。そのため、1試合を編集するのに相当な時間がかかっていたんです。セットプレーを出すのだけでも試合をまるまる見返さなければいけないので、面倒くさい。1,2時間はかかります。その作業時間がなくなり、他の試合映像を見るなどの時間に当てられることは大きいです。
動画をアップロードしてタグ付けされて返ってくるまでが早いのも魅力的です。時間帯にもよりますが、平均して5〜6時間で戻ってくる印象です。だから、土日の試合は火曜日にはタグ付けされた状態でチェックできると。
チームのスタイルを浸透させるのに役立っている
ー選手・親御さんへの共有はしていますか?
選手には各家庭1アカウントを付与していて、親御さんも見られるようにしています。コロナの影響で無観客試合も多く、ありがたく思ってもらえています。
選手にも見るようにと伝えていましたが、強制はしていません。管理画面から誰が見ているかが確認できるのですが、そこで選手のサッカー熱をチェックしています。考えてプレーをしてそうな選手より、ファイター系のCBがけっこう映像を見ているということもあって、それに驚くこともありますね(笑)。
選手が自身のプレー映像を見て振り返ることも多いのかなと。今まで映像を見られる機会はなかったので、選手にとっては大きいです。
アカウントの権限を分けられるのも魅力です。選手アカウントは動画をダウンロードできないので、Hudlにログインして見なければならず、外に流出する心配もありません。
ーどういった用途での使用が最も多いですか?
LAVIDAとして一番多いのはセットプレーの守備の調整ですね。チームとしてのベースがある中での調整をすると。相手を見るというよりも自分たちのポジショニングの確認です。「もっと後ろにいたほうが良いよね、ゾーンの位置を修正したほうが良いよね」という会話をスタッフ間で行ないます。我々はプレス型のサッカーなので、相手の攻撃時に少しでもポジションがずれるとそこで空いた“穴”にけっこう入れられる場面もある。私としてはそういう場面は数回でも許したくないので(笑)、しっかりと振り返りたい。崩されたり相手にシュートを打たれたりしたシーンを選手に見せることもあります。
ーミーティングなどでチーム全体に動画を見せることはあるのでしょうか。
特に新チームに切り替わって、チームを構築するスタートに立ったときですね。そこで守備のベースを確認します。前のシーズンをまとめた動画を作ることもありますし、直近のゲームを編集して見せることもあります。“相手がどんな対策をしてきてもボールを奪う”ことができるようにしたいと思っていますし、その形をチームに浸透させる役目としては非常にHudlの存在は大きいですね。
全てのカテゴリの全ての試合をチェックできる
ー相手の分析には使っているのでしょうか?
相手の映像を見られるときは見ることもあるのですが、ジュニアユース年代はは細かくやりすぎてそこに凝り固まってしまうのも怖いところ。トレーニングでやっていることと、相手の情報のバランスは大事です。僕らとしては選手たちにいつも通りにやらせたい思いがあるので、選手には相手の情報を伝えることは最小限に留めています。
ー他にはどういうった部分で役立っていますか?
スタッフ内の認識合わせと、選手に伝えるためのサポートとしての活用です。選手によっては「こういう場面を振り返って見たら?」と伝えるのもありかなと思っていますし、FW専門のコーチはトレーニング時にipadを見せながら指導をしているので、うまく使っているのかなと思っています。
ー最後に、改めてHudlの魅力を教えて下さい。
チームを運営する中で見なければいけないゲーム数が多い中、僕たちはより多くの試合を見ることに時間をかけられるようになりました。全スタッフが全カテゴリをチェックできるようになったのが最大のメリットです。LAVIDAはジュニアユースで3カテゴリあるので、全部の試合を観に行くことはできないですし、全ての試合を録画して手動で編集するとそれだけで時間が過ぎてしまう。
また、僕が帯同できなかったU-13の試合を、全てではないにしろ重要なシーンだけでも切り取って見られるようになりました。
自分たちで編集をすると、ゴールキックやスローインを切りとるだけでもとても面倒なので。自チームと相手チームのポゼッションのシーンも全て自動で振り分けてくれますし、すごく楽になりました。
ーどういったチームや指導者に勧めたいですか?
一言、“サッカー熱がある人”ですね。思いが強い人には間違いないかなと。