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サッカー界の最新分析トレンドとは?チーム強化に欠かせないデータ活用【Hudl セミナーイベントレポート】

Hudl Japan

Hudlでは、国内のサッカーチーム関係者や識者を招いてセミナーを開催しています。

今回は、Hudl コンサルティング担当のエドワード・サリー氏が登壇。データ活用における基本的な考え方や現在のトレンド、国内外の事例について解説しました。

トレンドとなっているサッカー界の“データ活用”最新事例

こんにちは。Hudlのコンサルティングを担当しているエドワード・サリーと申します。私はこれまで20年以上プロのプロチームで働いてきました。最初はコミュニティレベルや育成年代から携わり、その後シティ・フットボール・グループでトップチームの分析に携わったのちに、2019年にHudlに入社しました。

まずは、弊社が取り組んできたケーススタディについてご紹介します。

取り上げる事例は、スペインのアルメリアというクラブです。当初はラ・リーガ2部にいましたが、選手獲得をより効率化することで成長し、現在はラ・リーガ1部に所属しています。このチームでは選手獲得のプロセスにおいて、Wyscoutに全ての情報が集約されています。選手の検索を行なう「Advanced search」から獲得候補リストへの追加、その選手の映像検索ができる「Scouting area」がWyscoutのワークフローに組み込まれています。

そうして獲得した選手の顕著な例が、現在リヴァプールでプレーをしているダルウィン・ヌニェス選手です。アルメリアは、ウルグアイのユースチームから彼を獲得し、その後ベンフィカに3500万ドルの移籍金で売却しました。当時ラ・リーガ2部の最高額の移籍金をクラブにもたらした例ですね。

他の例であれば、ブラジル代表チームでもHudlのサービスが使われています。代表選手の発掘や、選手のパフォーマンスの継続的観察、試合日前後の対戦相手の分析を行なっています。


データを活用するために必要な人材

ケーススタディでもわかるように、近頃、サッカー界のトレンドがデータ分析へシフトしています。弊社では、データを扱う人材には4つの職域があると考えています。

1つ目が『データアーキテクト』。選手のパフォーマンスやメディカルのデータを取得し、一箇所に集めるのが重要な役割になります。

2つ目が『テクニカルアナリスト』。データアーキテクトが用意したデータを、チームやコーチに伝える、通訳のようなポジションですね。現場とデータを繋いで、その可視化をメインに担当します。サッカー協会やクラブでもよくあるのが、データアーキテクトがいない場合にその仕事がテクニカルアナリストに振られてしまうことです。優秀なデータアーキテクトを雇うことで、テクニカルアナリストの負担も軽減できるでしょう。

3つ目は既にあるデータの中から、自分達のモデルを作っていく『データサイエンティスト』。選手のパフォーマンスの評価指標などを、今あるものをよりインテリジェントに刷新していくことが大きな役割です。

最後に、『戦術アナリスト』という最もメジャーな役割です。コーチ経験がある方が多いかと思いますが、映像やデータから導き出したことを監督に伝えるのが主な仕事です。

現在Hudlには3,000人の社員がいて、クラブで上記4つの役割を担ってきたメンバーもいます。特に、データアーキテクトとデータサイエンティストは、クラブで雇わずとも我々がサポートすることも可能です。


ゲームモデルの構築が、チームの結果や編成の鍵を握る

2017年に発表された、サッカーだけではなく複数競技の選手に「チームのビジョンやアイデンティティを持つことが、どれだけ試合の結果に影響があるか」という調査があります。その結果、明確なビジョンやアイデンティティを持っているチームは、成績にもポジティブな影響があることが判明しています。

サッカーのビジネスモデルの上では、チームのゲームモデルを構築することが必要です。ゲームモデルの実現のために必要な選手のプロファイルが明らかになり、プロファイルから選手編成をすることで、経営メンバーは獲得する選手の概要や獲得の判断をします。ゲームモデルには育成計画も紐づいて、現場のトレーニングや試合に落とし込んでいく流れですね。

ゲームモデルについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

2022年5月、イングランドとスコットランドのプロクラブに「ゲームプランは誰が決めているか」という調査をさせていただきました。61%のクラブは「監督が決めている」、32%が「クラブや組織で決めている」、残り8%のクラブは「明確なゲームプランを持っていない」という回答になりました。

自分が仕事を始めた20年前を思い返すと、おそらく「監督が決めている」という回答が多かったと思います。一方で、今以上に多くのチームが「明確なゲームプランを持っていない」と回答したでしょう。私は、幸運なことにシティ・フットボール・グループという「クラブ主導でゲームモデルを設計している」組織で働いていたので、クラブの方向性に合わせて新しい監督や選手をチームに加えていく重要性を感じています。


最後に、最新の選手獲得のトレンドをご紹介したいと思います。

なぜこの話をするかというと、移籍金の総額が年々多額になっているからです。コロナ禍において、少し下がった時期もありますが、現在はコロナ禍以前の水準に戻りつつあります。

選手獲得でのテクノロジー活用において一番重要なのは、リスクマネジメントの側面だと考えています。代理人、スカウト、映像やデータ分析の担当の3つのセクションが協力することで、リスクを最小限に抑えられると思います。データが全てを決める訳ではありませんが、より良い意思決定のヒントになるはずです。

戦略プロセスやゲームプランを計画して、チームを構築していき、並行してデータ環境を整えることが必要となります。まずはゲームプランを作り、選手のプロファイルを明確にしていくことを最優先に取り組むことをお勧めします。本日はありがとうございました。

●プロフィール
エドワード サリー (Edward Sulley)
各クラブや団体のニーズに合わせたコンサルティングや分析、システムを提供するHudl社のカスタマソリューションチームのディレクター。
19年間のプロサッカー界での経験を持ち、世界で最も速いスピードで成長している団体の1つであるシティ・フットボール・グループ(CFG)で11年間にわたり7クラブ(マンチェスター、ニューヨーク、メルボルン、横浜、ジローナ、モンテビデオ、成都)と働き、Hudlにジョイン。
CFGでの最後の5年間は日本と中国のクラブにおけるサッカーの戦略の策定と実行を主に担当。
経験や資格はコーチング、パフォーマンス分析、スポーツ科学、メディカル、スカウティング、リクルート、リサーチ、イノベーション、戦略、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、と非常に多岐にわたる。

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