データが、選手の大学採用に直結。米高校バスケットボールクラブ事例
ここ数年、バスケットボール界ではスタッツが重要になっています。史上最高の選手は誰なのか、チームとしてどのように守るのかといった議論でも、まずスタッツの数字を確認したほうがよいでしょう。
しかし、アメリカのクラブバスケットボール界ではボックススコア以外の統計を採用することに消極的でした。データが高校ほど実用的ではない、という背景があります。
選手たちは、相手チームを分析するのではなく、自分たちのスタッツをより良いものにすることに重点を置いています。彼らにとってボックススコアで良い結果を出すことが重要なのです。スカウトの注意を引くために、注目度の高いトーナメントでアピールしたいと考えています。
しかし、リクルーティングにおいてさえ、フィールドゴール成功率やプラスマイナス(特定のプレイヤーが出場している間の得失点差)などの高度な統計が、これまで以上に重要になってきています。
スターズ・バスケットボールクラブは「Hudl Assist(ハドル アシスト)」を使用して、試合での数値結果を重視しています。リクルーティングを支援するだけでなく、コーチが実施する練習メニューに優先順位を付けたりと、選手の育成を促進することができます。
コーチにとって、時間は最も貴重なリソース
スターズ・バスケットボールクラブ 高校女子チームのディレクターであるトニー・マクロード氏は、複数チームを指導する中で、データがコーチにとっても選手にとってもいい影響を与えることに気づきました。
「クラブがHudlを使用することで、特に感じた変化が二つあります。一つ目は、リクルート面です。女子が大学に進学し、プレーできるように支援できます。そして二つ目に、Hudl Assistから統計を取れることです」
Hudl Assistは、ボックススコア以上のデータを提供します。レポートには、ポイント、リバウンド、アシストなどの標準的な測定値に加え、ラインナップやVPS(バリューポイントシステム)のプラスマイナスなどのより包括的なデータポイントも表示されます。
これらの数値を使用すると、コーチは個々のクリップやプレーを数秒で確認できます。スターズのプレイヤー開発ディレクターであるテッド・クイン氏は、「統計をビデオにリンクさせることで大幅な時間の節約になる」と述べました。コーチにとって、時間は最も貴重なリソースです。
「はるかに短い時間で、より多くのことができるようになりました。昔ながらの映像分析はもう行われていないので、確かに公平な比較はできません。しかし、今は分析と統計に関して、より多くのことができるようになりました」
データによるプレーヤー開発
スターズのアシスタントディレクター、ジェイソン・マギー氏は、「クラブでは高校チームのように対戦相手のスカウトにHudlを使うことはないかもしれないが、選手たちがクラブで潜在能力を最大限に発揮するためには、ビデオとデータが重要である」と言います。
スターズ高校男子チームのディレクターであるアーロン・モリソン氏は、「統計は、コーチたちがどのように映像を見るかを決める大きな要素である」と語ります。
数字を確認することで、彼はより包括的な視点を得ることができました。客観的なデータをもとに、具体的な情報と自信を持って選手にアプローチします。データ主導になることで、全員が時間を最大化できるようになったのです。
スタッツによる優れた採用
マクロード氏は、多くの大学のコーチや採用担当者が、1試合あたりの得点ではなく確率を尋ねるようになっていると言います。
「彼女のスリーポイント率は何パーセントですか? 彼女のフリースローの成功率はどれくらいですか?と聞かれます。われわれは、それらのデータをその場で取り出せるのです」とマクロード氏は語ります。
洞察力に富んだデータを提供すると、リクルーターは評価を迅速に行うことができます。大学のコーチは目に見えるものと数字を比較検討し、チームに合った選手へ焦点を絞ります。
リクルーターに選手の統計やビデオを直接提供できるようになったことで、リクルーティングのプロセスは大きく変わりました。リクルーターにアピールするツールを手に入れることができています。
選手の育成でも採用でも、スターズは状況に応じたソリューションを提供することで、アスリートが自分の可能性を最大限に発揮し、次のレベルに到達するための道を切り開いています。