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ベルギーやプレミアに革命。Hudlが世界中のサッカーを変える

Hudl Japanがプロサッカークラブの関係者に向けて、2時間半にわたって開催したウェビナー「世界から学ぶ」。

元マンチェスター・シティのヘッドアナリストで、現在はHudl社にてカスタマーソリューションチームのディレクターを務めるエドワード・サリー氏が、自身の経験をもとに世界のトレンドとデータ活用について解説しました。今回はそのウェビナーレポートの最終回をお届けします。

なぜ選手の自主性が必要なのか

個別の育成プランについてお話しします。

Hudlでは、1人の選手の戦術理解度や技術、フィジカル、メンタルといったあらゆる情報を1ページに集約して、映像ともリンクさせることが可能です。さらに、3カ月や1年間というスパンで達成すべき目標も記載できます。

サッカーではアカデミーの選手の育成が重視されていますが、それはなぜでしょうか。私が印象に残っている言葉を2つご紹介させていただきます。

Tell me and I forget.
Teach me and I remember.
Involve me and I learn.

言われたことは、忘れる。
教わったことは、覚える。
参加したことは、学ぶ。
(ベンジャミン・フランクリン)
コーチからの指示を待つような選手を育てたくありません。
彼らには自分で決めることができるようになってほしいのです。

(イングランドサッカー協会 Peter Sturgess)

それでは、どのように育成年代の選手に自主性を持たせれば良いのか。この部分でも、テクノロジーを活用する余地は大いにあると思っています。Hudlの映像共有プラットフォームには、選手とのコミュニケーションを生み出す機能が搭載されています。例えば、選手が自分の意見をコメントして、それに対してコーチがフィードバックする機能です。

Hudlはトップチームだけのものではない

実際にクラブのアカデミーでHudlがどのように活用されているのか、いくつか事例をご紹介します。

まずは映像共有プラットフォームを用いて、各選手の学習プランを用意するスタイルです。パフォーマンスの分析映像や、技術的な練習メニューの映像などを選手に提供。自主練習をサポートし、選手も自身で撮影した映像をアップロードすることができます。競争を促したり、ゲーム形式にするというアイデアもあります。

Hudlはトップチームだけのものではありません。アカデミーからトップチームまで一貫して活用できて、スマートフォンやタブレットでも見られるので、子供たちも手軽に使えます。

また、育成した選手の次のステップを選ぶのにも最適です。Wyscoutのデータを参考に、自分たちに近いスタイルのクラブを探し出し、選手のレンタル移籍先を決めることができます。

スタイルはクラスター1から4まで分類されます。同じクラスターに属するチームにレンタルすれば、復帰した時にも、また慣れ親しんだスタイルでプレーし続けられます。逆に、似たスタイルのクラブから獲得候補の選手をリストアップすることもできます。

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教育面において、eラーニングのプラットフォームであるHudlアカデミーは便利です。Hudlの各プロダクトの使い方を学ぶことができますし、クラブに適したゲームモデルや、個別の育成プランをオーダーメイドで作り上げることができます。

ベルギーとプレミアリーグに起こした革新

最後に、Hudlのプロサッカーリーグでの活用事例を2つご紹介します。

1つ目は、ベルギーリーグです。現ベルギー代表監督で、テクニカルディレクターも兼任しているロベルト・マルティネス氏は、非常に大きなビジョンを持っています。それは、代表チームの強化だけでなく、ベルギーサッカーのピラミッドにいかに大きな影響を与えられるかということです。

ベルギーサッカー協会とは様々な取り組みを行なっていますが、映像に関する大きなアクションがあります。1部・2部リーグに所属する全クラブのスタジアムに、ワイドアングルの自動撮影カメラを導入していることです。また、ゴール裏やペナルティエリア近辺にもカメラを設置。これはサッカー界で初めての事例となります。

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各映像はリアルタイムで提供されるので、試合中のパフォーマンスの向上に寄与します。また、Hudlでは映像の活用方法について、シーズン中に何回もワークショップを開催しました。

ベルギーリーグでライバル関係にあるクラブのアナリストたちが、同じワークショップに参加するのです。マルティネス氏が彼らに望んでいるのは、所属クラブのバッジを一度外して、ベルギーサッカー全体のレベルアップに目を向けるということ。私たちはワークショップを通して、ベルギーサッカーを1つにすることができたと感じています。

Hudlとベルギーサッカーのパートナーシップは、協会の方からも高く評価していただいています。特に重要だったのは、プロダクトをすべて現地の言葉で提供できたことです。もちろん、それは日本でも同じで、日本語でのプロダクト・サポートを提供しています。

2つ目は、プレミアリーグです。2014年からHudlと共同で、ワイドアングルの映像やイベントデータ、トラッキングデータなどを集約できるデータベースを作成しています。重要なポイントは、試合中にリアルタイムでデータを取得できること。元マンチェスター・シティで、現在はモナコのアナリストを務めているアーロン・ブリッグス氏は、このシステムが非常に革命的だったと仰っていました。

最近では、Jリーグのパフォーマンス分析の資料も作成しました。クラブ強化部の皆さまにもご提供し、今回のウェビナーも含めて疑問点や興味深い点があれば、コミュニケーションを図っていきたいと思っています。

<了>

●プロフィール
エドワード サリー (Edward Sulley)
各クラブや団体のニーズに合わせたコンサルティングや分析、システムを提供するHudl社のカスタマソリューションチームのディレクター。
19年間のプロサッカー界での経験を持ち、世界で最も速いスピードで成長している団体の1つであるシティ・フットボール・グループ(CFG)で11年間にわたり7クラブ(マンチェスター、ニューヨーク、メルボルン、横浜、ジローナ、モンテビデオ、成都)と働き、Hudlにジョイン。
CFGでの最後の5年間は日本と中国のクラブにおけるサッカーの戦略の策定と実行を主に担当。
経験や資格はコーチング、パフォーマンス分析、スポーツ科学、メディカル、スカウティング、リクルート、リサーチ、イノベーション、戦略、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、と非常に多岐にわたる。

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