CDレガネスが、育成年代を含めて身体パフォーマンスを分析する理由とは?
CDレガネスはマドリード南西部に本拠地を置くスペイン2部のチームで、スペインサッカー最高峰のラ・リーガへの復帰を目指して戦っています。2016年に球団史上初めてトップリーグに昇格したレガネスは、ラ・リーガで歴史的な4シーズンを過ごし、2018/19シーズンの国王杯では準決勝に進出、途中でレアル・マドリードを破りました。
レガネスの成長の裏には、テクノロジーの活用があります。アカデミーからトップチームに至るまで、クラブ全体で WIMU (上半身にウェアを着用し、選手の身体や動きの状態を測定する仕組み)を使用して、目標達成に挑んでいます。今回は、レガネスでの活用方法をご紹介します。
<WIMUとは?>
GPSソリューションのWIMUは、ウェアラブルデバイスとソフトウェアの組み合わせで試合中の選手の負荷・怪我リスク管理やパフォーマンス測定の分析、管理、視覚化のあり方を変えることができます。
選手の状態を、ワンクリックで正確に把握する
選手の育成に重点を置くレガネスでは、一人ひとりの身体パフォーマンスが重要視されています。
「目的は、パフォーマンス向上に貢献し、怪我を避けることです。WIMU GPS テクノロジーは、試合の中から情報を提供してくれるため、非常に便利ですね。リアルタイムで即座にも、試合後にもデータを見ることができます。欲しい情報に合わせてカスタマイズすることも可能です」(トップチーム フィットネスコーチ フアン・ピニェロ氏)
「近年の選手はGPSテクノロジーの使用に慣れているため、取り入れるのは簡単でした。選手は装着していると感じないほどです。スタッフはクリックするだけで必要な情報がすべて手に入るので、迅速に意思決定ができます」(ピニェロ氏)
ピニェロ氏を含むスタッフ陣は、日常業務のあらゆる段階で WIMUを使用しています。「トレーニング前後、トレーニング中、常に選手を分析しています」(ピニェロ氏)
ピニェロ氏はトレーニング中、WIMUのリアルタイムデータの視覚化ソフトウェアである SVIVOを使用して選手のパフォーマンスを分析し、選手間の距離、速度、位置などを確認します。
「必要不可欠なものです。SVIVOのおかげで、トレーニングセッション中に何が起こっているか客観的かつ正確に把握できるようになり、より適切な意思決定ができています。
SVIVOは、試合中も重要な役割を果たしています。「試合中に何が起こったか、選手の身体的な変化に細心の注意を払うことが大切です。閾値を超えたケースはしっかりチェックします。
選手たちは多くの場合、(身体の状態は)大丈夫だと言います。こうした客観的な分析によって、オーバーワークに気づくケースもあるんです」(ピニェロ氏)
一人ひとりにあった自由な分析が可能
試合やトレーニングセッションが終わっても作業は終了せず、スポーツサイエンス部門は SPROを利用して分析をします。
「現在のGPSテクノロジーは飛躍的に進歩していて、素晴らしいですよ。判断を要するプレーについて、より正確な分析が進んでいます。指標が全ての選手に合っているわけではありません。一人ひとりに応じた数値を考えることができます」(ピニェロ氏)
さらに、パフォーマンスに関する考察を WIMUクラウドでまとめています。
「WIMUクラウドには多くのメリットがあります。各トレーニングセッションや試合で確認したいものや評価したいものを、さまざまな指標や数値をベースに自由に分析できるんです」(ピニェロ氏)
育成年代にも導入する理由
レガネスが他のチームと違うのは、育成世代からこのような分析システムを導入しているところです。
「プロやトップチームではよく見かけると思います。GPSをユース世代にも提供できるのはとてもいいことだなと。まだあまり一般的なことではありませんよね。でも(トップチームに)飛び込む時期が来たとき、選手がすでにツールに慣れていればより早い成長が見込めます」(レガネス アカデミーコーチ)
レガネスは、身体的パフォーマンスへのさまざまなアプローチを続けます。「さまざまなレベルや年齢で選手の情報を収集しています。クラブ全体での取り組みを通じて、ユースや若い選手たちに成長してほしいですね」(ピニェロ氏)
「選手たちが『情報をとられている、計測されている』という感覚なくデータが手に入ります。練習が自然と進む、というのはアプローチの方法としても大切にしているところですね」(ピニェロ氏)
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