教員志望の大学生が、プロチームで分析を行うようになるまで。茨城ロボッツ・磯野眞(前編)
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教員志望の大学生が、プロチームで分析を行うようになるまで。茨城ロボッツ・磯野眞(前編)

20/21シーズン、B2プレーオフを勝ち上がり、悲願のB1昇格を掴み取った茨城ロボッツ。各選手の活躍が素晴らしかったのはもちろんですが、その背後にはコーチ陣のハードワークと今シーズンから導入した分析ソリューションのコラボレーションがありました。

その舞台裏について、アシスタントコーチ/通訳としてロボッツの躍進を支えた磯野眞さんにお話を伺いました。前編では、磯野さんが茨城ロボッツでプロとしてのキャリアをスタートするまでのユニークな経験について語っていただきます。

■教員志望だった大学生が、アメリカ留学を決意するまで

当時はBリーグもなかったですし、将来は地元に帰って教員になるんだろうな、という未来をぼんやりと描きながら東京大学に入学しました。そこで出会ったのが4年生だった森高大さん(現:アルバルク東京アシスタントコーチ/スキルコーチ)でした。同じように教員志望だと聞いていたのに、気づいたら卒業後アメリカに留学されて。理由を聞いたら、英語の教員なのに現地の経験がないのも良くないし、バスケの勉強もしたいから、とおっしゃっていました。しかも帰国後、教員になられるのかなと思っていたら、トヨタ自動車アルバルク(現・アルバルク東京)のアシスタントコーチに就任されました。そのときに、そういう道もあるんだと。

私が大学4年生、森さんが帰国された頃には既にBリーグの構想も発表されており、自分の将来を考えたときにそういう方向性もありなのかなと思い、アメリカ留学を決断しました。大学院2年間+OPT1年間の計3年間の滞在でした。

森さんから、アメリカでバスケを学ぶなら絶対チームには所属した方がいい、一番入りやすいのはマネージャー職だ、というアドバイスをいただき、渡米当初は大学のマネージャーに応募しました。ただ、男子チーム、女子チームともに希望者が多いなどの理由で断られてしまったんです。本当はそこで粘るべきだったんでしょうけど、素直に引き下がってしまいました…

そのため、1年目は高校のコーチとして活動していました。アシスタントコーチという肩書をもらいましたが、実際はチームに帯同してリバウンド取ったりドリルを手伝ったり、そういった仕事です。ただ、その高校が運よく強豪で、大学チームのコーチともつないでくれて、翌年のマネージャー職に推薦してくれました。

もちろん1年目からマネージャーができていたら…と思う部分もありますが、当時の対戦相手がNCAAのディビジョン1でトップを走っていたり、NBAでドラフトされた選手もいたので、トップレベルの選手が高校生時点でどれだけ完成されているのか、といったことや、アメリカの高校バスケの環境など感じることができたのはユニークな経験だったとポジティブに捉えています。

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■スポーツコードを自腹で購入、それを携えてマネージャーの面接に

留学1年目の終わりに一時帰国した際に、フィットネスアポロ社の講習会に参加したのですが、そのときに一念発起して、スポーツコードを自分で購入しました。松井さん(トヨタ自動車アンテロープス)にコードウィンドウなどを教えてもらい、それを持ってアメリカでの大学のマネージャーの面接に臨みました。「おれはスポーツコード持っていて、こんなコードウィンドウを使えるんだぞ」って(笑)本当は全然使えなかったんですけど(笑)

ただ、それが功を奏したのか、これは日本からすごいやつが来たということで、ビデオ担当のマネージャーとして採用してもらえることになりました。エクセルも得意だったので、データをまとめることなども任せてもらいました。

留学3年目にビデオコーディネーターに昇格して、どのビデオを切るか、提供するか、スカウティングのフォーマットなどもすべて決めることができる立場になり、仕事の幅は大きく広がりました。マネージャー時代はコーディネーターの指示に従って映像を切る、という、アシスタント的な立ち位置だったので。チームにはコーチの人数分(5台)のスポーツコード、コーダ、ハドルが用意されていましたね。

当時はトラブルがあるたびにHudl本社に電話してましたが、24時間いつかけても出てくれたので非常に助かりました。対応も速いし、細かく教えてくれた記憶があります。アメリカ生活で一番ホスピタリティのいいサービスでしたね(笑)

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■人の縁に導かれてプロの道へ

渡米当初はアメリカでなんとかバスケットボールに関わる仕事を見つけたいと思っていましたが、現実問題としてアメリカ滞在4年目のビザを取得するのはかなり苦労するということで、帰国を考えるようになりました。この頃には日本でプロとしてやっていきたいという気持ちしかなくて、教員になるという選択肢は無くなっていました。

そんな中、NYで知り合った方がロボッツのGMとつないでくださり、さらには堀さん(オーナー)がNYに家族旅行にいらっしゃるとお聞きして、そのGMにお願いして堀さんとランチもさせていただきました。堀さんは実は高校の大先輩でもあったんです。ロボッツで2年過ごして、堀さんが気軽にランチ誘っていい方じゃないのを理解した今だったら絶対お願いできないですけど(笑)

そのつながりで茨城ロボッツからオファーをいただき、帰国しました。

(後編に続く)

プロフィール
磯野 眞(いその まこと)
茨城県常陸太田市出身。東京大学卒業後、米国NY州のSt. John’s Universityのスポーツ経営学修士課程へ進学。在学の傍ら、2016-17シーズンにはChrsit the King High School男子チームのアシスタントコーチ、2017-18シーズンよりSt. John’s University女子チームのビデオマネージャー(のちにグラジュエート・アシスタント)を務める。大学院修了後は、同チームのビデオコーディネーターに就任。同シーズン終了後に帰国、茨城ロボッツのアシスタントコーチ兼通訳へ、2季目となる2020-21シーズンにはB2リーグ準優勝、B1昇格を果たす。21−22シーズンから長崎ヴェルカのアナライジング・コーチ兼オンザコート通訳に就任。

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